地図を作るには基準点を決めて測量します。相模野基線は近代的な地図を作るに当たって、最初に定められた2つの基準点を結ぶ基線です。
その存在は、「地図物語」という動画で知りました。
相模大野駅
相模野基線の北端は、相模原市南区麻溝台四丁目にあります。どの駅からも距離があり、アクセスに悩みました。
結局、電車賃が一番安くなる相模大野駅から歩いて行くことにしました。
磁北と直交する道
あらかじめ、カシミール3Dというソフトによって、25,000分の1相当の地図を打ち出して、それを見ながら歩きます。
蒸し暑い日です。道が入り組んでいて、細い路地に入り込んでしまい、結構迷いました。
ようやくのことで、相模女子大の南側を通る、歩道のある少し広い通りに出ました。その道は、西に向かって、綺麗に一直線に伸びていました。
手元の地図を見ると。。。
道路は東西方向の水平からちょっと傾いているのに、何かしら直交する線があります。その線とは、磁北線ではありませんか!
おぉっ。
磁北線は、磁石が示す北の方向で、真北から西に約7度くらい傾いています。カシミール3Dは、多機能のソフトで、磁北線を印刷できます。僕は、コンパスを使いながら歩くのも好きなので、磁北線はいつも印刷するようにしています。
磁北線に直行する道は、測量技術の向上などのために作ったのでしょう。相模野基線の周辺は、地図を作るための都市のようです。
相模女子大の敷地は矩形をしています。この道と交わる東側を通る道路の方向は、磁北線と綺麗に一致していました。
磁北を指す高圧送電線
西の方に1.5kmくらい歩くと、送電線が見えてきました。
25,000分の1の地図には、送電線も描かれています。その方向を見てニンマリです。
電線の下に来た時に最初に示した写真を撮りました。
コンパスの針と電線の方向が一致していますよね?つまり、送電線は磁北を指しています。
ピンボケですが。。。
ちなみに、ガイシの数は21個くらいありました。275kVくらいの超高圧送電線でしょうか?
相模野基線北端
相模野基線の北端は、周囲が塀で囲まれたような場所にあって、見つけにくかったです。
でも、昔は見晴らしがよかったんでしょうね。
とても大切な三角点なのに、自己主張しないで、それでいて威厳があって。いかにも日本を代表する三角点という感じで、すごくいいです。日本人に生まれて良かったと思えるほど。
周囲の3本の柱は、三脚用なのでしょう。
ちょっとお邪魔して、手元のGPSで北緯と東経を調べさせていただきました。北緯35度31分52.7秒 東経139度24分23.2秒でした。ウィキペディアさんによれば、北緯35度31分52.54秒 東経139度24分23.03秒とのことです。
ちょっと差があるので、何メートルに相当するか、今度計算してみようと思います(※)。
基線北端の西に、南北に延びる道路があります。この道も磁北を示しています。
写真ではコンパスが少し左に傾いているように見えます。写真を撮るときの立ち位置があと5cm右だったらびしっと真っ直ぐに見えたはずですよ。きっと。
そうそう、この辺りはなぜか養鶏場が多かったです。
相模野基線中間点
基線の中間点も確認してきました。
自分の測定では、北緯35度30分38.7秒 東経139度25分13.1秒、ウィキペディアさんは北緯35度30分38.76秒 東経139度25分13.15秒で、ほぼドンピシャでした。
すぐ近くに、お散歩される方々にはおなじみのマンホールがありました。座間市の花のひまわりのようですね。
座間市にも湘南クッキーがあるんですか?
神奈川県に来ると、いつもすごく気になる販売機。今回は大通りの向こう側だったので断念。いつかきっと食べてやる。
相模野基線南端
相模野基線の南端です。
測量する場合、すぐ近くに建物が接近していて、三脚を立てることさえ大変そうです。
手前の道路で測定した値は、北緯35度29分24.8秒 東経139度26分03.2秒でした。ウィキペディアさんは、北緯35度29分24.7秒 東経139度26分3.35秒 で、ほぼ一致していました。
南林間駅
時計を見ると午後1時を過ぎています。
帰りは南林間駅から帰ることにしました。
でも、お腹が減ったので、電車に乗る前に、南林間近くの「麺屋 こてつ」で「なまら醤油ラーメン」を食しました。色が濃くて、服に飛ばないかひやひやしましたが、味は良かったです。
散歩データ
コース: 小田急小田原線 相模大野駅 → 相模野基線北端 → 中間点 → 南端 → 小田急江ノ島線 南林間駅
距離 : 約12.3km
時間 : 3h44m
※地球の平均半径を6371kmとする。
緯度1秒当たりの距離は、
6371×1000×2π÷360÷3600≒30.89 [m]
経度1秒当たりの距離は、中間点で考えて、
6371×1000×cos(35°30’38”)×2π÷360÷3600≒25.14 [m]
よって、北端の誤差は
√(((52.7-52.54)×30.89)^2+((23.2-23.03)×25.14)^2)≒6.53 [m]
中間点の誤差は
√(((38.7-38.76)×30.89)^2+((13.1-13.15)×25.14)^2)≒2.24 [m]
南端の誤差は
√(((24.8-24.7)×30.89)^2+((3.2-3.35)×25.14)^2)≒4.87[m]
である。
(2017-08-26 加筆)
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