地図と測量の科学館で電子基準点を発見!

知らないところを散歩をする上で、地図は必要不可欠ですね。その地図を作る技術を展示している「地図と測量の科学館」がつくばにあります。
実物を一度見てみたかった電子基準点がそこにありました。

地図と測量の科学館

お出迎えしてくれた筑波山

お出迎えしてくれた筑波山

つくばエクスプレスが出来て、つくばが近くなりましたね。秋葉原から1時間かからないんですよ。運賃はそれなりに高いですけど。
研究学園駅に降りると、早速筑波山がお出迎えしてくれました。

測地観測塔とつくばVLBIアンテナ

測地観測塔とつくばVLBIアンテナ

駅から北方向に約2.5km歩くと櫓(やぐら)と大きなパラボラアンテナが見えてきました。

櫓は、測地観測塔という名前が付いています。高さは45mです。この下に一等三角点「筑波原点」があります。でも、この写真を撮った時は、そんなことは知りませんでした。知っていれば下まで行って写真を撮ってきたのに。

パラボラは、VLBI (Very Long Baseline Interferometry、超長基線電波干渉法) のアンテナで、直径35m、受信周波数帯は2GHzと8GHzです。

VLBIでは遠くの天体からの電波を地球の各所にあるアンテナで受信し、各受信時刻からその方向におけるアンテナ間の距離の差を計算します。その計算を多数の天体に対して実施することで、アンテナ間の直線距離が分かります

2GHzだと、無線LANとか電子レンジからくる雑音に影響されないのでしょうか?

また、8GHzだと、波長は約3.75cmです。直径35mの各領域から反射される信号を受信点で位相を合わせることもチャレンジングな仕事ですね。楽しそう。やってみたい。

ところで、測量法施行令第二条で、原点方位角は、つくば超長基線電波干渉計観測点金属標の十字の交点の方位角とすることと定められています。なんだか難しいですね。

平たく言うと、東京タワーの近くに、日本の経緯度の原点があって、そこから、このパラボラアンテナに向かって引いた直線の方向は、真北から東に32度20分46秒209だけずれていることにして、日本の国土を測量していきましょうということです。

ちなみに、手元の地図で測定すると、日本の経緯度の原点からパラボラアンテナまで約58.5kmです。地球の半径を6371kmとしますと、地球は丸いので、どちらかが約270mの高さがないとお互いが見通せないことになります(ピタゴラスの定理使用)。東京タワーの特別展望台でも250mなので、見通すことができません。いったいどうやって、測量したんですかね?

中東かインドあたりのご出身と思われるマッピーくん

中東かインドあたりのご出身と思われるマッピーくん

地図と測量の科学館の入り口です。マッピーくんがにこやかにお出迎えしてくれました。マッピーくんは、ターバンを巻いているので、中東かインドあたりのご出身でしょうか?魔法の絨毯ならぬ魔法の地図に乗っています。でも、その下にキャスターがついてまっせ。空を飛ぶためには飛行機みたいに滑走が必要なんですか?

建物の中はとても興味深いです。でも本ブログはアウトドアの散歩のブログなので書きません。

日本列島球体模型

日本列島球体模型

建物の外にも見どころはいっぱい!
日本列島球体模型は、1/20万の縮尺です。この日は独り占めできました。

測量用航空機「くにかぜ」

測量用航空機「くにかぜ」

1983年まで活躍していた測量用航空機「くにかぜ」もいます。ピカピカでまだ飛べそう。

つくばVLBIアンテナと電子基準点つくば3

つくばVLBIアンテナと電子基準点つくば3

でも、今回の散歩で一番嬉しかったのは、電子基準点を発見できたことでした。全国に1300ヶ所もあるのに、今まで一度もお目にかかったことがなかったんです。ふーん、こんな格好をしているんだ。

電子基準点は、GPSによって、1cm以下の精度で位置変動を解析できるそうです。すばらしい!

でも、ちょっと待って。電子基準点って、どこが基準位置なの?従来からある三角点は、頂部に十字が刻まれていて、その中心が基準位置です。通常の測量では、三角点の上に三脚を立てて測量機器をその基準に合わせます。

電子基準点は5mもありまっせ。その頂部のレドーム(保護カバー)に十字が刻まれているんですか?そのさらに上に三脚を立てるのですか?測地観測塔に準じた櫓が必要になりませんか?

電子基準点の基準位置かな?

電子基準点の基準位置かな?

僕は、横に少し突き出たところが基準なのだと思い、下からの写真を撮っておきました。でも、測量機器を合わせるための基準らしくないなぁ。

外筒に半分隠されている金属標

外筒に半分隠されている金属標

実は、基準は足元にあったらしいのです。写真の中で、外筒に半分隠されている丸い金属標がご覧になれますでしょうか。GPSのアンテナ位置と、この金属標の相対位置は、厳密に測定されていて、金属標を基準にして測量を開始すればよいようです。散歩時には知らなかったので、見苦しい写真ですみません。

ところで、あなたは金属標でピンときましたか?
先ほど、原点方位角のところで「つくば超長基線電波干渉計観測点『金属標』の十字の交点の方位角」と書きました。おそらくあの巨大なパラボラアンテナのすぐ近くに、多分直径10cmくらいの十字が刻まれた金属標があるはずなんです※)。

筑波散策

地図と測量の科学館を見学し終えて、そのまま帰るのはもったいなかったので、付近の散歩を続けることにしました。

国立科学博物館筑波実験植物園

国立科学博物館筑波実験植物園

筑波大学の脇を通り、学園東通りに出ると国立科学博物館筑波実験植物園がありました。クレマチス園が公開されていたものの、午後3時を過ぎて日も傾いてきていたので通過。

松見公園展望塔

松見公園展望塔

松見公園という大きい公園があったので、来てみたら、松見公園展望塔という奇抜な形の塔がありました。外から見ただけで満足しました。

H-Ⅱロケットの実物大模型

H-Ⅱロケットの実物大模型

つづいて、遠くの方にH-Ⅱロケットの実物大模型が見えました。とりあえず写真を1枚撮って、もっと良く見えるところを探そうと、エキスポセンターの周りを反時計回りに回ったら、つくば駅に着いてしまったので、おとなしく帰ってきました。

散歩データ

コース:首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス 研究学園駅 → 地図と測量の科学館 → 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス つくば駅
距離:11.0km
時間:5h15m(地図と測量の科学館の見学時間を含む)

※)つくばVLBIアンテナは、2017年3月までに解体撤去されています。しかし、測量法施行令第二条はそのままです。つまり、「つくば超長基線電波干渉計観測点金属標」は残されているということですね。(2017年10月28日加筆)

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