日本の商用電源周波数は、富士川を境として、東側が50Hz、西側が60Hzです。
どうして東側が50Hzになったかというと、東京電力が隅田川のほとりに浅草火力発電所を建設し、ドイツ製の50Hzの発電機を据え付けたからです。現在、浅草火力発電所の跡地は、蔵前変電所になっています。
隅田川を歩くからには、この蔵前変電所を必ず見つけようと思っていました。
千住大橋
千住大橋から隅田川沿いを歩くため、千住大橋駅で降りました。
駅のホームから南側を眺めた時の写真です。駅前の更地がトラ模様のフェンスで囲われています。再開発で、ビルでも建てるのでしょうか。
更地の先に千住大橋が見えます。もし、ビルが建つとなると、やがて大橋が見えなくなることでしょう。そうなったとき、この写真は貴重な一枚になるかもしれません。
写真のやや右側には、勾配屋根の六角形の建物が見えます。こちらは、はんだ材料で有名な千住金属工業の本社ビルです。
先ずは、千住大橋を目指して、国道4号線に出ました。道の向こう側に中央卸売市場足立市場が見えます。都内で唯一の水産物専門の卸売市場です。
本日は休業日で、二輪車実技教室が開かれていました。
市場から千住大橋に向かう途中で、千住金属工業の本社ビルにある石洞美術館が見たくなり、進路を変更しました。
でも、今回は残念な結果になりました。休館日だったのです。
気を取り直して千住大橋を渡ります。橋の下には千住小橋が見えました。千住小橋も渡りたかったんですが、かなり遠回りになるので、あきらめました。
汐入公園
隅田川の右岸に渡ってすぐ、日枝神社があります。
ここの立て札に「虫歯の痛みに耐えかねて、この地で切腹した山王清兵衛が祀ってある」と書いてあります。でも、よく読むと、このお社に祀ってあるのではなく、そこから南に90mくらい行ったところにある小祠に祀ってあるということがわかりました。
こちらがその小祠。歯痛に対してご利益があるそうです。
常磐線をくぐると堤防の上に遊歩道が出現します。
晴れていて、暑くもなく、寒くもない今日のような日に、ここを歩くのは文句なく気持ちいいです。
千住汐入大橋です。ここより上流では下路アーチ橋ばかりで見飽きていたので、単純な桁橋が新鮮に感じられます。
汐入公園は、樹木がバランス良く配置されていて、外国の公園のようです。
水神大橋で、また下路アーチ橋に戻ってしまいました。下路アーチ橋が大盛況ということは、低コストで丈夫ということなのでしょうか?
瑞光橋は隅田川の入り江の上にかかる橋です。この入り江は、その昔、石炭の集散地として開設された隅田川貨物駅まで続く運河でした。
入り江の上には汐入水門跡が残っています。周辺地域を水害から守るため、昭和28年から昭和45年ころまで運用されていました。
Googleの地図には、この辺りに真先銭座跡があると記されています。どのような施設だったのか興味がありましたが、見つけることができませんでした。
言問団子
- Shirahige Bridge Parent Pillar
- Shirahige Bridge
ほどなく白髭橋がありました。必要以上にごつい感じがします。でも、嫌いじゃありません。魅力的です。
在原業平が「名にしおはばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」と詠んだ橋場の渡しはこのあたりだったようです。
桜橋は、上から見るとX形をしています。でも、横から見ると、X形であることや側面が湾曲していることがよく分からず、意外と平凡な橋に見えます。
桜橋で左岸へと渡り、少し上流側に戻ったところで、隅田公園少年野球場を発見しました。
王貞治さんが少年のころ、ここでプレーしていたそうです。門のレリーフを見れば一目瞭然ですね。
左岸へ渡ったお目当ては、野球場の隣のお店で売られている言問団子です。
以前、携帯がこの世に無かった頃、言問橋の周辺で、言問団子のお店を探しましたが、全然見つかりませんでした。白髭橋と桜橋の間にあるなんて想像もつきませんでした。そもそも、業平の歌が言問いの起源なら、白髭橋を言問橋という名前にしてくれればよかったのに。
ともかく、今日は買って帰ります。
こちらが言問橋。写真ではほとんど確認できませんが、都鳥(鴎)が結構飛んでいました。船から餌でもあげているのでしょうか。
隅田公園では、葉桜を楽しんでいる方々が沢山いらっしゃいました。
そうそう、着物を着ている外国の方も結構見かけました。日本人も着物で花見をすれば風流なのに。
吾妻橋(あずまばし)と後ろのアサヒグループのビル群はどちらもすごいパワーを放っています。
駒形橋はずいぶん変わった外観だと思ったら、長命化工事中のようです。
厩橋(うまやはし)のリベットも半端ない重厚感を出しています。
その厩橋のそばに顔のデザインの公衆トイレがありました。なぜ顔なんでしょうね。目立てば勝ちなのかな?
蔵前変電所(旧浅草火力発電所)
本日、どうしても見たかった施設を発見!こんな立派な建物なのに、何も表示がしてありません。いや、実は「町を美しくしましょう云々」という張り紙があって、そこには施設名が書いてありました。
横に回ってみると、こんな感じ。水族館のバックヤードにある水の処理設備のようにも見えます。でも違います。
裏に回ってみると、重厚な電気設備がありました。そう、ここは蔵前変電所です。
ちなみにこの電気設備には電線がつながっていないので、稼働していません。稼働しているのは、先ほどの水を処理しているような外観の設備の方です。
蔵前変電所ということは、浅草火力発電所の跡地だということです。すなわち、東日本の50Hzの歴史はここから始まったのです。それを想うと痺れますね。電気的に痺れたわけではないですよ。念のため。
興奮に浸りながら少し歩くと蔵前橋が現れました。
江戸時代には周囲に米蔵が並んでいたんでしょうね。
総武線の隅田川橋梁が現れたので、散歩はここまでとします。
今日はいろいろな橋を見ることができて楽しかったです。
言問団子の味見
言問団子は、カバンの中で傾けてしまい、少しいびつな形になりました。でも、ほどよい甘味で美味しかったです。
散歩データ
コース:京成本線 千住大橋駅 → 隅田川 → JR総武線 浅草橋
距離:11.5km
時間:3h8m
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