別に敬遠しているわけではありませんが、僕は、埼玉県をあまり歩いたことがありません。地図を見ると、武蔵野線沿いを歩けば、埼玉県内をかなり歩けそうなので、今回は、武蔵野線に沿って歩くことにしました。
是政
本来の武蔵野線は、鶴見駅から西船橋までの区間です。ただ、旅客列車は府中本町が起終点ですので、府中本町から歩くことにしました。
武蔵野線か南武線で、直接府中本町まで行って歩き始めてもいいのですが、府中本町の周辺も見たかったので、西武多摩川線(通称是政線)の是政駅から出発することにしました。
是政は、北条氏の家臣の井田摂津守是政にちなんで付けられた地名です。
中央線の武蔵境駅から是政駅までの西武多摩川線はワンマン運転していました。
この斜張橋は是政橋。多摩川に架かっています。
もともと、西武多摩川線は、多摩川の砂利を運ぶための路線でした。
北西に歩いて行くと、中央自動車道が見えました。
中央自動車道の向こう側に、東京競馬場(府中競馬場)のパトロールタワーも見えます。
丁度、ユーミンの中央フリーウェイに歌われているあたりです。
武藏国府跡を発見!
府中本町から競馬場までは、このような立派な専用歩道が通っています。雨にぬれずに競馬場まで行けます。
府中本町の改札は、今日は空いています。
レース開催日は混むんでしょうね。
点字テープの貼り方を見ると、切符を買ってから一旦元に戻るような動線を考えているようです。一番左の販売機に誘導し、そのまま改札に向かって左に折れた方が親切なような気がします。
大国魂神社の鳥居が見えてきました。
国史跡の武蔵国府跡を発見!
平成21年に指定されています。
でも、以前(平成24年)、初期の旧甲州街道を歩いた折に、ここを通ったけど、気付かなかったなぁ。
時間もあるので、見学していくことにしました。
まず、10分の1のサイズの復元居宅があり、全体像がわかります。
土台にひびが入っていますが、川とか崖を示している訳ではないですよね?
管理事務所で住所と名前を書くと、武蔵国府スコープを貸してくれます。無料です。
数字の書かれた5つのポイントがあり、そこの近くでスコープを覗くと、VR(ヴァーチャルリアリティ)で、昔の風景の中に自分が置かれたような感覚を味わえます。
その場でぐるっと回ると付近の景色がそれにつれて回りますし、上や下を向いても追従します。よくできています。イヤホンの音量も丁度よく、快適に学習できます。
国分寺跡を発見!
府中街道に出ると、府中市役所がありました。
府中市は、お金持ちの市のはずです。競馬場や競艇場がありますし、大企業もあります。それにしては、思ったより質素な建物でした。
旧甲州街道の高札場です。この辺りは、甲州街道とされている通りが何本かあります。
この高札場は大国魂神社のお神輿の御旅所(おたびしょ、休憩場所)ともなっています。
京王線のガードをくぐります。
北府中駅までやってきました。府中本町駅からようやく1駅目です。
北府中駅の西側には、東芝の建物が見えます。
高い建物は、エレベータの研究棟のはずです。高いところから周囲が見えてしまうので、研究時には気を遣うのだとか。
塀の中の方々がいらっしゃる施設です。
塀の高さは高いですが、その上に乗り越え防止の尖ったようなものは付いていませんでした。
この塀に沿って右折した道が、3億円事件の現場であることを散歩後に知りました。
東八道路です。道幅から、30メートル道路とも呼ばれています。
国分寺市に来たからには、訪れてみたいと思っていた国分寺跡に来ました。
石がきれいに積んであって、柱の位置が若干盛り上がっていました。
古い石碑もありましたが、国分寺のあった位置とはちょっと違うところに立っているようでした。
国分寺跡は府中街道に看板が出ている訳でもなく、観光地として位置付けているわけではなさそうでした。周りにお店もありません。
この写真は国分寺崖線(がいせん)を登る坂道ですが、写真に撮っても坂の具合はよくわかりませんね。
津田町立坑を発見!
泉町の交差点では、歩道橋がクロスしていました。
デザイン重視でしょうか?それともこの方が少し建設コストが安くなるからでしょうか?
ななめに渡りたい場合は距離が3割ほど短くなりますが、普通に渡るには4割ほど長くなります。この交差点では、歩行者は歩道橋を渡ることを強制されていますし、歩く距離まで長くなるとあっては、あんまり嬉しくないです。
西国分寺駅です。府中本町駅から2駅目です
中央線に乗っていて、西国分寺駅に止まると、電車のわきが崖になっていて、閉じ込められた気になりませんか?上から見てもその通りでした。この辺りは、国分寺崖線が岬みたいに突き出していて、中央線は、その先端を横切るように通っているようです。そこで、切り通しみたいな構造の中に中央線を通し、武蔵野線と無理なく立体交差を作ったようです。賢いですね。
玉川上水は、鎌倉橋で渡りました。
この道の左にある森は、津田塾大学です。
武蔵野線は、この津田塾大学と住宅地の境目を通っているはずです。でも、音は全然聞こえません。
音は聞こえませんが、津田町立坑を発見!
銀色の扉のところに赤字で、「列車通過中扉の開閉注意」と書いてあります。
武蔵野線が、この下を通っていることが分かります!
地元の人や鉄道マニアは知っているかもしれませんが、一般人はほとんど知らないことだと思います。思いがけず、このような発見をすることがあるので、未知の道の散歩は面白いです。
青梅街道に出ました。
この辺りでは、比較的太い道ですが、青梅街道の両脇は、緑が多く残っています。昔の地形図を見たり、空中写真を見たりするとはっきりと分かります。どうしてでしょうか?
おそらく、昔、青梅街道沿いに農家が住み着き、畑を開墾したり屋敷森を植えたのが今でも残っているのでしょう。その後、このエリアが急速に発展し、農家の敷地の外を切り開いて分譲したので、街道から離れたところは住宅街になったのだと思います。
各農家は、街道に面したところを短辺とする細長い土地を持っていたようです。航空写真を見ると、農家が土地を手放したところには、面白いように、整然と2列ずつ家が建っています。
ちなみに、左側の青いネットの前は無人販売所です。この付近ではお約束の風景です。
新小平駅がありました。
この辺りの武蔵野線は地下に潜っていて、新小平駅のところだけ少し地上に出ているようです。
まだ午後2時半を過ぎたばかりなのに、駅名の照明の様子を見ると日暮れのようです。日が短くなったのを実感します。
送電線が分岐している場所がありました。垂直に一回降ろして、直角方向に出すんですね。面白いです。分岐した線は、BS小平線と書いてありました。
分岐してから3本目くらいの鉄塔のところで、電線は地下にもぐってしまいました。あれあれ?どこにいくの?
道を挟んだその先は工業地帯で、送電線はこれらの工場に電源を供給しているようです。
実は、BS小平線のBSとは、ブリジストンの略でした。ブリジストンの工場の写真がうまく取れなかったので、近くに見えた第一パン工場の写真を載せています。先ほどの送電線から電力が供給されているかどうかは厳密には分かりません。ごめんなさい。
老朽化した歩道橋を2基発見!
萩山駅前の歩道橋から何か染み出しているのかと思ったら、落下物防止用のネットでした。歩道橋はぼろぼろで、ところどころ穴があいていて、使用禁止になっていました。
撤去しようにも費用が工面できないのでしょうか?
多摩湖自転車道を横切ります。
このブログでも3回目くらいの登場でしょうか。
ハンドホールに「道路台帳」の文字を発見!初めて見ました。どのような意味があるのでしょうか?
老朽化した歩道橋をまた発見!
最近は、巨大な自然災害も増えているので、安全のため、早めに撤去か修繕をした方がいいと思います。
今日は久米川駅から帰ることにしました。
埼玉県を歩きたかったのに、残念ながら東京から出ることができませんでした。
散歩データ
コース:西武多摩川線 是政駅 → 武蔵野線沿線(府中本町~新小平)→ 西武新宿線久米川駅
距離:14.7km
時間:4h3m